気がつけばサラリーマンの女房

私の肩書「専業主婦」

夢も野望もあったけど、気がつけばサラリーマンの女房で専業主婦

専業主婦にも歴史あり

将来の夢はお嫁さん

高校生くらいまでは、将来結婚したら専業主婦になって家庭をしっかり守る奥さんになろうと漠然と考えていました。あくまで幼い頃の「将来の夢はお嫁さん」の延長線上で。ところが大学を出て社会人になると、自分らしい生き方ってなんだろう?結婚して家庭に入ることが自分のしたいことだろうか?と考えるようになりました。仕事で行き詰る度、結婚に逃げたい気持ちも湧いてきましたが、それもまたモヤモヤを大きくする一因となっていました。

若気の至りと器に見合わない成功

そんな矢先、商社勤務を辞めて起業する知人から仕事を手伝って欲しいと頼まれました。「成功」「夢の実現」など、それまでの人生には無縁だった言葉を矢継ぎ早に繰り出す知人の口説きに、私は簡単に落ちました。まだ若く、自分が何者なのかも全くわかっていなかった頃の話ですが、時代にフィットした事業は成功を収め、器に見合わないお金も手に入れました。忙しく全国を飛び回り、時には海外にも足を運ぶ日常は成功者の証であるかのように感じられ、自尊心も満たされました。

目標を設定し、日々努力し、実現し、仲間と喜びを分かち合う過程は、心が震える感動を与えてくれました。夢に生き、野望に燃え、何も怖いものがないと思っていた時期がこんな私にもあったのです。

 

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時の流れは人生におけるプライオリティをも変えてしまった

家庭の中で自分を生かす道を選んだ本当の理由

あれから四半世紀が経ちました。紆余曲折を経て今はサラリーマンの夫と三人の子どもを持つ母として専業主婦をしています。この道を選んだ一番の理由は、介護が必要な子どもがいるからです。子どもの手が離れたらまたバリバリ働きたいと漠然と考えていた私の人生計画は、ここから大きく方向転換しました。

つくづく、人生には予定外のことが起こるものだと痛感しています。それまでも身に起こることはすべて受け入れる覚悟ではいましたが、厳しい現実に意味を見出し前を向くまでにかなりの時間が必要だったことは否定出来ません。

職業は専業主婦、収入はゼロ

若い頃はお金を稼ぎ、人に支配されるより支配する側の人間になりたいと思っていました。でも今は、日々大きな問題やトラブルが起きず、とりあえず家族全員が健康で機嫌良く過ごすことが一番大事で、その状態を維持するために日々立ち回ることこそ自分の使命と考えています。

毎朝同じ時間に起き、バランスの取れた食事を作り、清潔で整った空間を維持し、地域周辺に迷惑を掛けず、人の中で当たり障りなく振舞うこと。仕事を持つ主婦でも当たり前にこなしていることですが、私にとってはこれが唯一の仕事です。家事労働の対価云々はさて置き、実際に自分の力では1円も生み出さない仕事。それが専業主婦。